わたしはねえさんおもいだす
私は姉さん思い出す

冒頭文

花(はな)によう似(に)た姿(すがた)をば、なんの花(はな)かと問(と)われるとすぐには返答(へんと)に困(こま)るけど。ただ微笑(ほほえ)みてものいわず、うす青白(あおしろ)き夢(ゆめ)の世(よ)に、いまは幻(まぼろし)と浮(う)かぶかな。花(はな)にいろいろあるけれど、燃(も)える紅(あか)い花(はな)でない。冷(つめ)たい白(しろ)い花(はな)でない。夏(なつ)はまだ浅(あさ)く、色(いろ)

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日