すずがなる
鈴が鳴る

冒頭文

あれあれ鳴(な)る、鈴(すず)が鳴(な)る。 水(みず)で鳴(な)る、空(そら)で鳴(な)る、雲(くも)で鳴(な)る。 あれあれ鳴(な)る、鈴(すず)が鳴(な)る。 路(みち)で鳴(な)る、丘(おか)で鳴(な)る、森(もり)で鳴(な)る。 月夜(つきよ)の晩(ばん)に、 白(しろ)い馬(うま)が、 銀(しろがね)の鈴(すず)を鳴(な)らしてきた。 どこから、どこまで鳴(な)らしてゆく

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年8月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日