つきがでる
月が出る

冒頭文

だれが山(やま)でらっぱ吹(ふ)く、 青(あお)い空(そら)から月(つき)が出(で)る。 だれが野(の)で太鼓(たいこ)打(う)つ、 広(ひろ)い畑(はた)から月(つき)が出(で)る。 だれが海(うみ)で笛(ふえ)を吹(ふ)く、 波(なみ)の中(なか)から月(つき)がでる。 だれが町(まち)で歌(うた)うたう、 月(つき)がまんまるく照(て)らしている。 月(つき)出(で)

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年4月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日