うみとたいよう |
海と太陽 |
冒頭文
海(うみ)は昼(ひる)眠(ね)る、夜(よる)も眠(ね)る、 ごうごう、いびきをかいて眠(ね)る。 昔(むかし)、昔(むかし)、おお昔(むかし) 海(うみ)がはじめて、口(くち)開(あ)けて、 笑(わら)ったときに、太陽(たいよう)は、 目(め)をまわして驚(おどろ)いた。 かわいい花(はな)や、人(ひと)たちを、 海(うみ)がのんでしまおうと、 やさしく光(ひか)る太陽(たいよう)
文字遣い
新字新仮名
初出
「おとぎの世界」1919(大正8)年6月
底本
- 定本小川未明童話全集 3
- 講談社
- 1977(昭和52)年1月10日