ふるす
古巣

冒頭文

つばめが帰(かえ)るとき 真紅(まっか)な美(うつく)しい夕焼(ゆうや)けに、 少年(しょうねん)はらっぱを鳴(な)らして 遊(あそ)んでいた。 つばめがきたとき 家(いえ)の周囲(まわり)を幾(いく)たびも飛(と)びまわった。 すると、少年(しょうねん)の吹(ふ)いていたらっぱは 窓(まど)の下(した)に捨(す)てられて、 赤(あか)いさびがところどころに出(で)ていて、泥(どろ

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮」1912(明治45)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日