みつばちのきたひ
みつばちのきた日

冒頭文

雪割草(ゆきわりそう)は、ぱっちりと目(め)を開(ひら)いてみると、びっくりしました。かつて、見(み)たことも、また考(かんが)えたこともない、温(あたた)かな室(しつ)の中(なか)であったからです。そして、自分(じぶん)のまわりには、美(うつく)しいいろいろの花(はな)が、咲(さ)き乱(みだ)れていたからであります。 雪割草(ゆきわりそう)は、小(ちい)さな頭(あたま)の中(なか)で、

文字遣い

新字新仮名

初出

「福岡日日新聞」1923(大正12)年1月1日

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日