あおいはなのかおり
青い花の香り

冒頭文

のぶ子(こ)という、かわいらしい少女(おとめ)がありました。 「のぶ子(こ)や、おまえが、五つ六つのころ、かわいがってくださった、お姉(ねえ)さんの顔(かお)を忘(わす)れてしまったの?」と、お母(かあ)さまがいわれると、のぶ子(こ)は、なんとなく悲(かな)しくなりました。 月日(つきひ)は、ちょうど、うす青(あお)い水(みず)の音(おと)なく流(なが)れるように、去(さ)るものです。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日