うみぼたる
海ぼたる

冒頭文

ある日(ひ)、兄弟(きょうだい)は、村(むら)のはずれを流(なが)れている川(かわ)にいって、たくさんほたるを捕(と)らえてきました。晩(ばん)になって、かごに霧(きり)を吹(ふ)いてやると、それはそれはよく光(ひか)ったのであります。 いずれも小(ちい)さな、黒(くろ)い体(からだ)をして、二つの赤(あか)い点(てん)が頭(あたま)についていました。 「兄(にい)さん、よく光(ひ

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1923(大正12)年8月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日