しまのくれがたのはなし
島の暮れ方の話

冒頭文

南方(なんぽう)の暖(あたた)かな島(しま)でありました。そこには冬(ふゆ)といっても、名(な)ばかりで、いつも花(はな)が咲(さ)き乱(みだ)れていました。 ある早春(そうしゅん)の、黄昏(たそがれ)のことでありました。一人(ひとり)の旅人(たびびと)は、道(みち)を急(いそ)いでいました。このあたりは、はじめてとみえて、右(みぎ)を見(み)たり、左(ひだり)を見(み)たりして、自分(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日