あかいさかなとこども
赤い魚と子供

冒頭文

川(かわ)の中(なか)に、魚(さかな)がすんでいました。 春(はる)になると、いろいろの花(はな)が川(かわ)のほとりに咲(さ)きました。木(き)が、枝(えだ)を川(かわ)の上(うえ)に拡(ひろ)げていましたから、こずえに咲(さ)いた、真紅(まっか)な花(はな)や、またうす紅(くれない)の花(はな)は、その美(うつく)しい姿(すがた)を水(みず)の面(おもて)に映(うつ)したのであります

文字遣い

新字新仮名

初出

「金の塔」1922(大正11)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日