しょかのふしぎ
初夏の不思議

冒頭文

百姓(しょう)のおじいさんは、今年(ことし)ばかりは、精(せい)を出(だ)して、夏(なつ)のはじめに、早(はや)くいいすいかを町(まち)へ出(だ)したいと思(おも)いました。 おじいさんは、肥料(こやし)をやったり、つるをのばしたりして、毎日(まいにち)のように、圃(はたけ)へ出(で)ては、 「どうかいいすいかがなりますように。」と、心(こころ)の中(なか)で、太陽(たいよう)に祈

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1923(大正12)年6月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日