くろいひととあかいそり
黒い人と赤いそり

冒頭文

はるか、北(きた)の方(ほう)の国(くに)にあった、不思議(ふしぎ)な話(はなし)であります。 ある日(ひ)のこと、その国(くに)の男(おとこ)の人(ひと)たちが氷(こおり)の上(うえ)で、なにか忙(いそが)しそうに働(はたら)いていました。冬(ふゆ)になると、海(うみ)の上(うえ)までが一面(めん)に氷(こおり)で張(は)りつめられてしまうのでした。だから、どんなに寒(さむ)いかという

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1922(大正11)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日