ものぐさなきつね
ものぐさなきつね

冒頭文

一 星(ほし)は、毎夜(まいよ)さびしい大空(おおぞら)に輝(かがや)いていました。そして下界(げかい)を照(て)らしていましたけれど、だれも星(ほし)を見(み)てなぐさめてくれるものとてなかったのです。星(ほし)は、それを頼(たよ)りないことに思(おも)っていました。 鶏(にわとり)が、朝(あさ)早(はや)く起(お)きて、そのりこうそうな黒(くろ)い瞳(ひとみ)の中(なか)に

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1922(大正11)年1月23~25日

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日