しおをのせたふね |
塩を載せた船 |
冒頭文
赤(あか)ん坊(ぼう)をおぶった、男(おとこ)の乞食(こじき)が町(まち)へはいってきました。その男(おとこ)は、まだそんなに年(とし)をとったというほどではありませんでした。 男(おとこ)の乞食(こじき)は、りっぱな構(かま)えをした家(うち)の前(まえ)へきますと、立(た)ち止(ど)まって、考(かんが)え込(こ)みました。それから、おそるおそる門(もん)の中(なか)へ入(はい)ってゆ
文字遣い
新字新仮名
初出
「童話」1923(大正12)年5月
底本
- 定本小川未明童話全集 3
- 講談社
- 1977(昭和52)年1月10日