ちょうとどとう
ちょうと怒濤

冒頭文

美(うつく)しいちょうがありました。 だれがいうとなく、この野原(のはら)の中(なか)から、あまり遠方(えんぽう)へゆかないがいい。ゆくと花(はな)がない、ということをききましたから、ちょうは、その野原(のはら)の中(なか)を飛(と)びまわっていました。 しかし、その野原(のはら)は広(ひろ)うございましたので、毎日(まいにち)遊(あそ)ぶのに、不自由(ふじゆう)を感(かん)じ

文字遣い

新字新仮名

初出

「中学生」1922(大正11)年6月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日