こうえんのはなとどくが |
公園の花と毒蛾 |
冒頭文
一 それは、広(ひろ)い、さびしい野原(のはら)でありました。町(まち)からも、村(むら)からも、遠(とお)く離(はな)れていまして、人間(にんげん)のめったにゆかないところであります。 ある石蔭(いしかげ)に、とこなつの花(はな)が咲(さ)いていました。その花(はな)は、小(ちい)さかったけれど、いちごの実(み)のように真紅(まっか)でありました。花(はな)は、目(め)を開(
文字遣い
新字新仮名
初出
「朝日新聞」1922(大正11)年6月26日~7月10日
底本
- 定本小川未明童話全集 3
- 講談社
- 1977(昭和52)年1月10日