うみほおずき
海ほおずき

冒頭文

梅雨(つゆ)のうちに、花(はな)という花(はな)はたいていちってしまって、雨(あめ)が上(あ)がると、いよいよ輝(かがや)かしい夏(なつ)がくるのであります。 ちょうどその季節(きせつ)でありました。遠(とお)い、あちらにあたって、カン、カン、カンカラカンノカン、……という磬(けい)の音(おと)がきこえてきました。 「また、あのお祭(まつ)りの時節(じせつ)になった。ほんとうに月日

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日