べにすずめ |
紅すずめ |
冒頭文
ある日(ひ)のこと、こまどりが枝(えだ)に止(と)まって、いい声(こえ)で鳴(な)いていました。すると、一羽(わ)のすずめが、その音色(ねいろ)を慕(した)ってどこからか飛(と)んできました。 「いったい、こんなような、いい鳴(な)き声(ごえ)をするのが、俺(おれ)たちの仲間(なかま)にあるのだろうか。」と、すずめは不思議(ふしぎ)に思(おも)ったのです。 すずめは、すぐ、こまどりがと
文字遣い
新字新仮名
初出
「早稲田文学」1921(大正10)年8月
底本
- 定本小川未明童話全集 3
- 講談社
- 1977(昭和52)年1月10日