てんかいっぴん
天下一品

冒頭文

ある日(ひ)のことであります。男(おとこ)は空想(くうそう)にふけりました。 「ほんとうに、毎日(まいにち)働(はたら)いても、つまらない話(はなし)だ。大金持(おおがねも)ちになれはしないし、また、これという安楽(あんらく)もされない。ばかばかしいことだ。よく世間(せけん)には、小判(こばん)の入(はい)った大瓶(おおびん)を掘(ほ)り出(だ)したといううわさがあるが、俺(おれ)も、なにか

文字遣い

新字新仮名

初出

「北國新聞」大正11年1月1~2日

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日