ほしのこ
星の子

冒頭文

あるところに、子供(こども)をかわいがっている夫婦(ふうふ)がありました。その人(ひと)たちの暮(く)らしは、なにひとつとして不足(ふそく)を感(かん)ずるものはなかったのでありましたから、夫婦(ふうふ)は、朝(あさ)から晩(ばん)まで、子供(こども)を抱(だ)いてはかわいがっていることができました。 子供(こども)は、やっと二つになったばかりの無邪気(むじゃき)な、かわいらしい盛(さか

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人公論」1923(大正12)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日