つばきのしたのすみれ
つばきの下のすみれ

冒頭文

一本(ぽん)のつばきの木(き)の下(した)に、かわいらしいすみれがありました。そのつばきの木(き)は、大(おお)きかったばかりでなくて、それは真紅(まっか)な美(うつく)しい花(はな)を開(ひら)きました。この花(はな)を見(み)た人(ひと)は、だれでも、きれいなのをほめないものはなかったほどであります。 「まあ、なんというみごとな花(はな)だろう。」といって、みんなは、そのつばきの木(き)

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学少女」1922(大正11)年4月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日