けしのはたけ
けしの圃

冒頭文

旅(たび)から旅(たび)へ渡(わた)って歩(ある)く、父(ちち)と子(こ)の乞食(こじき)がありました。父親(ちちおや)は黙(だま)りがちに先(さき)に立(た)って歩(ある)きます。後(あと)から十になった小太郎(こたろう)はついていきました。 彼(かれ)らは、いろいろの村(むら)を通(とお)りました。水車小屋(すいしゃごや)があって、そこに、ギイコトン、ギイコトンといって、米(こめ)を

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1920(大正9)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日