おおかみとひと
おおかみと人

冒頭文

未開(みかい)な小(ちい)さな村(むら)がありました。町(まち)へいくには、山(やま)のすそ野(の)を通(とお)らなければなりませんでした。その間(あいだ)はかなり遠(とお)く三里(り)もありまして、その間(あいだ)には、一軒(けん)の人家(じんか)すらなかったのであります。 春(はる)から夏(なつ)にかけては、まことに景色(けしき)がようございましたけれども、秋(あき)の末(すえ)から

文字遣い

新字新仮名

初出

「こども雑誌」1920(大正9)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日