はとみき
葉と幹

冒頭文

一 ある山(やま)に一本(ぽん)のかえでの木(き)がありました。もう長(なが)いことその山(やま)に生(は)えていました。春(はる)になると、美(うつく)しい若葉(わかば)を出(だ)し、秋(あき)になるとみごとに紅葉(こうよう)しました。 町(まち)から山(やま)に遊(あそ)びにゆくものは、その木(き)をほめないものはなかったのであります。 「なんといういいかえでの木(き

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1920(大正9)年5月7~8日

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日