よっぱらいぼし
酔っぱらい星

冒頭文

佐吉(さきち)が寝(ね)ていると、高窓(たかまど)の破(やぶ)れから、ちらちらと星(ほし)の光(ひかり)がさしこみます。それは、青(あお)いガラスのようにさえた冬(ふゆ)の空(そら)に輝(かがや)いているのでありました。 仰向(あおむ)けになって、じっとその星(ほし)を見(み)つめていますと、それが福々(ふくぶく)しいおじいさんの顔(かお)になって見(み)えました。おじいさんは、頭(あた

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1920(大正9)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日