じぶんでこまったひゃくしょう
自分で困った百姓

冒頭文

一 ある田舎(いなか)に、二人(ふたり)の百姓(しょう)が住(す)んでおりました。平常(ふだん)はまことに仲(なか)よく暮(く)らしていました。二人(ふたり)とも勉強家(べんきょうか)で、よく働(はたら)いていましたから、毎年(まいねん)穀物(こくもつ)はたくさんに穫(と)れて、二人(ふたり)とも困(こま)るようなことはありませんでした。 あるとき、甲(こう)は乙(おつ)に向(

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1920(大正9)年10月6~8日

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日