かみはよわいものをたすけた
神は弱いものを助けた

冒頭文

一 あるところに、きわめて仲(なか)の悪(わる)い百姓(しょう)がありました。 この仲(なか)の悪(わる)い甲(こう)と乙(おつ)とは、なんとかして甲(こう)は乙(おつ)を、乙(おつ)は甲(こう)をうんとひどいめにあわしてやりたいと思(おも)っていました。けれど、なかなかそんなような機会(きかい)はこなかったのであります。 ある年(とし)の夏(なつ)の日(ひ)のことで

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1920(大正9)年6月3~4日

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日