てかてかあたまのはなし
てかてか頭の話

冒頭文

ある田舎(いなか)に、おじいさんの理髪店(りはつてん)がありました。おじいさんは、もうだいぶ年(とし)をとっていまして、脊(せ)が曲(ま)がっていました。いいおじいさんなものですから、みんなに、おじいさん、おじいさんと慕(した)われていました。 ちょうど、夏(なつ)の昼過(ひるす)ぎのことであります。お客(きゃく)が一人(ひとり)もなかったので、おじいさんは、居眠(いねむ)りをしていまし

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」1920(大正9)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日