きょうしとこども
教師と子供

冒頭文

それは不思議(ふしぎ)な話(はなし)であります。 あるところに、よく生徒(せいと)をしかる教師(きょうし)がありました。また、ひじょうに物覚(ものおぼ)えの悪(わる)い生徒(せいと)がありました。教師(きょうし)はその子供(こども)をたいへん憎(にく)みました。 「こんなによく教(おし)えてやるのに、どうしてそれが覚(おぼ)えられないのか。」といって、教師(きょうし)は歯(は)ぎし

文字遣い

新字新仮名

初出

「芸術自由教育」1921(大正10)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日