えんとつとやなぎ
煙突と柳

冒頭文

冬(ふゆ)の晴(は)れた日(ひ)のことであります。太陽(たいよう)は、いつになく機嫌(きげん)のいい顔(かお)を見(み)せました。下界(げかい)のどんなものでも、太陽(たいよう)のこの機嫌(きげん)のいい顔(かお)を見(み)たものは、みんな、気持(きも)ちがはればれとして喜(よろこ)ばないものはなかったのであります。 太陽(たいよう)は、だれに対(たい)しても差別(さべつ)なく、いつでも

文字遣い

新字新仮名

初出

「芸術自由教育」1921(大正10)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日