ほうせきしょう
宝石商

冒頭文

昔(むかし)、北(きた)の寒(さむ)い国(くに)に、珍(めずら)しい宝石(ほうせき)が、海(うみ)からも、また山(やま)からもいろいろたくさんに取(と)れました。 それは、北(きた)の国(くに)にばかりあって、南(みなみ)の方(ほう)の国(くに)にはなかったのであります。南(みなみ)の方(ほう)の暖(あたた)かな国(くに)は富(と)んでいましたから、この珍(めずら)しい宝石(ほうせき)を

文字遣い

新字新仮名

初出

「現代」1921(大正10)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日