ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石

冒頭文

あるところに、まことにやさしい女(おんな)がありました。女(おんな)は年(とし)ごろになると、水車屋(すいしゃや)の主人(しゅじん)と結婚(けっこん)をしました。 村(むら)はずれの、小川(おがわ)にかかっている水車(すいしゃ)は、朝(あさ)から晩(ばん)まで、唄(うた)をうたいながらまわっていました。女(おんな)も主人(しゅじん)も、水車(すいしゃ)といっしょに働(はたら)きました。

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 2
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年12月10日