きんのうお
金の魚

冒頭文

昔(むかし)、あるところに金持(かねも)ちがありまして、なんの不自由(ふじゆう)もなく暮(く)らしていましたが、ふと病気(びょうき)にかかりました。 世間(せけん)に、その名(な)の聞(き)こえたほどの大金持(おおがねも)ちでありましたから、いい医者(いしゃ)という医者(いしゃ)は、いずれも一度(ど)は呼(よ)んで、みてもらいました。けれど、どの医者(いしゃ)にも、その病気(びょうき)の

文字遣い

新字新仮名

初出

「面白倶楽部」1921(大正10)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日