つのぶえふくこ
角笛吹く子

冒頭文

町(まち)の四(よ)つ角(かど)に立(た)って、一人(ひとり)の男(おとこ)の子(こ)がうろうろしていました。子供(こども)ははだしで、足(あし)の指(ゆび)を赤(あか)くしていましたけれど、それを苦(く)にも感(かん)じないようでありました。短(みじか)い黒(くろ)い着物(きもの)をきて、延(の)びた頭髪(とうはつ)は、はりねずみのように光(ひか)っていました。 子供(こども)は、この

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」1921(大正10)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日