かねもちとにわとり
金持ちと鶏

冒頭文

あるところに金持(かねも)ちがありまして、毎日(まいにち)退屈(たいくつ)なものですから、鶏(にわとり)でも飼(か)って、新鮮(しんせん)な卵(たまご)を産(う)まして食(た)べようと思(おも)いました。 鳥屋(とりや)へいって、よく卵(たまご)を産(う)む鶏(にわとり)を欲(ほ)しいのだが、あるか、と聞(き)きました。 鳥屋(とりや)の主人(しゅじん)は、 「よく卵(た

文字遣い

新字新仮名

初出

「こども雑誌」1919(大正8)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日