こどものじぶんのはなし
子供の時分の話

冒頭文

あめ売(う)りの吹(ふ)く、チャルメラの声(こえ)を聞(き)くと、子供(こども)の時分(じぶん)のことを思(おも)い、按摩(あんま)の笛(ふえ)の音(ね)を聞(き)くと、その人(ひと)は涙(なみだ)ぐみました。その話(はなし)を聞(き)かせた人(ひと)は旅(たび)の人(ひと)です。そして、その不思議(ふしぎ)な話(はなし)というのはつぎのような物語(ものがたり)です。       *   *

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日