うしおんな
牛女

冒頭文

ある村(むら)に、脊(せ)の高(たか)い、大(おお)きな女(おんな)がありました。あまり大(おお)きいので、くびを垂(た)れて歩(ある)きました。その女(おんな)は、おしでありました。性質(せいしつ)は、いたってやさしく、涙(なみだ)もろくて、よく、一人(ひとり)の子供(こども)をかわいがりました。 女(おんな)は、いつも黒(くろ)いような着物(きもの)をきていました。ただ子供(こども)

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日