どこでふえふく
どこで笛吹く

冒頭文

一 ある田舎(いなか)に光治(こうじ)という十二歳(さい)になる男(おとこ)の子(こ)がありました。光治(こうじ)は毎日(まいにち)村(むら)の小学校(しょうがっこう)へいっていました。彼(かれ)は、いたっておとなしい性質(せいしつ)で、自分(じぶん)のほうからほかのものに手出(てだ)しをしてけんかをしたり、悪口(わるくち)をいったりしたことがありません。けれど、どこの学校(がっこう)の

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年倶楽部」1916(大正5)年8月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日