しょうねんのひのひあい
少年の日の悲哀

冒頭文

一 三郎(さぶろう)はどこからか、一ぴきのかわいらしい小犬(こいぬ)をもらってきました。そして、その小犬(こいぬ)をかわいがっていました。彼(かれ)はそれにボンという名(な)をつけて、ボン、ボンと呼(よ)びました。 ボンは人馴(ひとな)れたやさしい犬(いぬ)で、主人(しゅじん)の三郎(さぶろう)にはもとよりよくなつきましたが、まただれでも呼(よ)ぶ人(ひと)があれば、その人(ひ

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年世界」1917(大正6)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日