ふしのくすり
不死の薬

冒頭文

一 ある夏(なつ)の夜(よる)でありました。三人(にん)の子供(こども)らが村(むら)の中(うち)にあった大(おお)きなかしの木(き)の下(した)に集(あつ)まって話(はなし)をしました。昼間(ひるま)の暑(あつ)さにひきかえて、夜(よる)は涼(すず)しくありました。ことにこの木(き)の下(した)は風(かぜ)があって涼(すず)しゅうございました。 赤(あか)く西(にし)の山(や

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本少年 臨」1914(大正3)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日