あおいとけいだい |
青い時計台 |
冒頭文
一 さよ子(こ)は毎日(まいにち)、晩方(ばんがた)になりますと、二階(かい)の欄干(らんかん)によりかかって、外(そと)の景色(けしき)をながめることが好(す)きでありました。目(め)のさめるような青葉(あおば)に、風(かぜ)が当(あ)たって、海色(うみいろ)をした空(そら)に星(ほし)の光(ひかり)が見(み)えてくると、遠(とお)く町(まち)の燈火(ともしび)が、乳色(ちちいろ)のも
文字遣い
新字新仮名
初出
「処女」1914(大正3)年6月
底本
- 定本小川未明童話全集 1
- 講談社
- 1976(昭和51)年11月10日