うみへ
海へ

冒頭文

この村(むら)でのわんぱく者(もの)といえば、だれ知(し)らぬものがなかったほど、龍雄(たつお)はわんぱく者(もの)でした。親(おや)のいうこともきかなければ、また他人(たにん)のいうこともききませんでした。 よく友(とも)だちを泣(な)かしました。すると泣(な)かされた子供(こども)の親(おや)は、 「またあの龍雄(たつお)めにいじめられてきたか。」 といって、なかには怒(おこ

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本少年」1918(大正7)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日