うみのしょうねん
海の少年

冒頭文

今年(ことし)の夏休(なつやす)みに、正雄(まさお)さんは、母(かあ)さんや姉(ねえ)さんに連(つ)れられて、江(え)の島(しま)の別荘(べっそう)へ避暑(ひしょ)にまいりました。正雄(まさお)さんは海(うみ)が珍(めずら)しいので、毎日(まいにち)朝(あさ)から晩(ばん)まで、海辺(うみべ)へ出(で)ては、美(うつく)しい貝(かい)がらや、小石(こいし)などを拾(ひろ)い集(あつ)めて、それをた

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年文庫」1906(明治39)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日