あかいふね
赤い船

冒頭文

一 露子(つゆこ)は、貧(まず)しい家(うち)に生(う)まれました。村(むら)の小学校(しょうがっこう)へ上(あ)がったとき、オルガンの音(おと)を聞(き)いて、世(よ)の中(なか)には、こんないい音(おと)のするものがあるかと驚(おどろ)きました。それ以前(いぜん)には、こんないい音(おと)を聞(き)いたことがなかったのです。 露子(つゆこ)は、生(う)まれつき音楽(おんがく

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 1
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日