きょういくかのきょういく
教育家の教育

冒頭文

今日は教育家の大会を御催しなされたに付きまして御招待に預り出席致しましたが、私は普通いわゆる教育家という方々の仲間入を致しましたのが昨年の暮でありまして、まだ十分に教育家たるの資格も具えておらずまたその心得も持ちませぬので、諸君の前に立って教育に関する意見を述べる期節にはまだ至りませぬ。然るにいわゆる教育界に身を投じましたに付いてはどういう心掛けをせねばならぬか、どういう責任があるか、また一体教育

文字遣い

新字新仮名

初出

「帝国六大教育家」1907(明治40)年10月

底本

  • 新渡戸稲造論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2007(平成19)年5月16日