いいざかゆき
飯坂ゆき

冒頭文

一 旅(たび)は此(これ)だから可(い)い——陽氣(やうき)も好(よし)と、私(わたし)は熟(じつ)として立(た)つて視(み)て居(ゐ)た。 五月十三日(ごぐわつじふさんにち)の午後(ごご)である。志(こゝろざ)した飯坂(いひざか)の温泉(をんせん)へ行(ゆ)くのに、汽車(きしや)で伊達驛(だてえき)で下(お)りて、すぐに俥(くるま)をたよると、三臺(さんだい)、四臺(よだい)、さあ五臺(ご

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京日日新聞 第一六〇九二号~一六〇九八号」東京日日新聞社、1921(大正10)年7月21日~27日

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日