まなつのうめ
真夏の梅

冒頭文

梅(うめ)や漬梅(つけうめ)——梅(うめ)や漬梅(つけうめ)——は、……茄子(なすび)の苗(なへ)や、胡瓜(きうり)の苗(なへ)、……苗賣(なへうり)の聲(こゑ)とは別(べつ)の意味(いみ)で、これ、世帶(しよたい)の夏(なつ)の初音(はつね)である。さあ、そろ〳〵梅(うめ)を買(か)はなくては、と云(い)ふ中(うち)にも、馴染(なじみ)の魚屋(さかなや)、八百屋(やほや)とは違(ちが)つて、此(

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「女性 第十巻第三号」プラトン社、1926(大正15)年9月1日

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日