まつりのこと
祭のこと

冒頭文

いまも中六番町(まへまち)の魚屋(さかなや)へ行(い)つて歸(かへ)つた、家内(かない)の話(はなし)だが、其家(そこ)の女房(かみさん)が負(おん)ぶをして居(ゐ)る、誕生(たんじやう)を濟(す)ましたばかりの嬰兒(あかんぼ)に「みいちやん、お祭(まつり)は、——お祭(まつり)は。」と聞(き)くと、小指(こゆび)の先(さき)ほどな、小(ちひ)さな鼻(はな)を撮(つま)んぢやあ、莞爾々々(にこ〳〵

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日