ふじんじゅういちだい
婦人十一題

冒頭文

一月(いちぐわつ) うまし、かるた會(くわい)に急(いそ)ぐ若(わか)き胸(むね)は、駒下駄(こまげた)も撒水(まきみづ)に辷(すべ)る。戀(こひ)の歌(うた)を想(おも)ふにつけ、夕暮(ゆふぐれ)の線路(せんろ)さへ丸木橋(まるきばし)の心地(こゝち)やすらむ。松(まつ)を鳴(な)らす電車(でんしや)の風(かぜ)に、春着(はるぎ)の袖(そで)を引合(ひきあは)す急(せ)き心(ごころ)も風情

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日