ふかがわせんけい
深川浅景

冒頭文

雨霽(あまあがり)の梅雨空(つゆぞら)、曇(くも)つてはゐるが大分(だいぶ)蒸(む)し暑(あつ)い。——日和癖(ひよりぐせ)で、何時(なんどき)ぱら〳〵と來(こ)ようも知(し)れないから、案内者(あんないしや)の同伴(つれ)も、私(わたし)も、各自(おの〳〵)蝙蝠傘(かうもりがさ)……いはゆる洋傘(パラソル)とは名(な)のれないのを——色(いろ)の黒(くろ)いのに、日(ひ)もさゝないし、誰(たれ)

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「東京日日新聞 第一八二七五号~第一八二九六号」東京日日新聞社、1927(昭和2)年7月17日~8月7日

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日